じん肺

1 じん肺とは

 主として小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物または鉱物性の粉じんの発生する環境で仕事をしている方が、その粉じんを長い年月にわたって多量に肺に吸い込み、この粉じんを核にして肺が反応し、変化を起こした病気をじん肺といいます。
 じん肺にかかると、肺に繊維性の組織が増え、肺胞、細気管支、血管などの組織が壊され、呼吸困難を引き起こします。また、肺結核、続発性気管支炎その他の合併症にかかりやすくなります。

2 じん肺の原因となりやすい職場等

 じん肺の原因となる主な粉じんとその粉じんを発生する職場の例として次のようなものがあります。

粉じんの種類 発生職場
(じん肺の原因となる主な粉じんを粉じん発生の職場の例とともに示しました。主として線維増殖を強く起こしやすいと考えられている順に、並べてあります。)
珪酸 採石、金属鉱山などの採鉱、炭鉱などの岩盤掘進、ずい道掘削、鋳物製造、セラミック製造、陶器製造、金属精錬、研磨、製鉄、セメント製造、機械器具製造、珪酸化学工業の工程、石材加工、砂吹き付け作業、反射炉製造、耐火レンガ製造、とぎ粉製造、シリコン製品製造、ガラス製品製造
石綿(アスベスト) 石綿鉱山発掘、石綿加工(石綿糸、石綿布、石綿板、石綿紙、石綿建材、石綿セメント、石綿パッキング、ジョイントシート、ブレーキライニング、クラッチチェンジング、断熱性石綿製品、防火服、電気・熱絶縁材料)、間接的に石綿を扱う作業(鉛管工事、発電所建設、造船、建物などの粉砕)
タルク 滑石粉砕、絵の具製造、セラミック製造、屋根材料製造、殺虫剤製造、化粧品製造、医薬品製造、ゴム加工、製糸、製紙、織物製造
カオリン 乾燥カオリンの粉砕・袋詰め
ろう石 るつぼ製造、アート紙の塗料製造、グラスファイバー製造、タイル・陶磁器の原料調合、耐火剤製造、タイルうわ薬の調合
アルミニウム アルミニウム粉末製造
アルミナ ボーキサイト精錬
珪藻土 珪藻土採掘・粉砕、竃製造、建材製造、耐火金庫製造、絶縁剤製造、断熱材製造、陶器のうわ薬製造、フィルター製造(酒、ビール、果汁など)
石炭 炭坑の採炭、選炭など、石炭の粉砕
黒鉛 黒鉛精錬、電極製造、鉛筆製造、鋳造材料調合、潤滑剤製造、ゴム製品製造
炭素 製墨、カーボンブラック製造
活性炭素 脱臭剤製造、吸着剤製造
酸化鉄 溶接、アーク溶接、ガス溶断、グラインダー作業、研磨作業、製鋼
赤鉄鉱 赤鉄鉱採鉱

じん肺管理区分

 じん肺の管理区分は粉じん職歴、呼吸困難度、胸部レントゲン分類、呼吸機能検査動脈血ガス分析の結果を総合的に判断して決定されます。

じん肺管理区分と胸部レントゲン分類の関係

管理区分 胸部XP分類 著しい呼吸機能障害の有無
管理1 じん肺の所見なし なし
管理2 第1型 なし
管理3(イ) 第2型 なし
管理3(ロ) 第3型、4型A、B なし
管理4 第1型~4型A、B あり
管理4 第4型C なし又はあり

合併症

合併症とは、じん肺管理区分が管理2又は管理3であってさらに次の6つの疾病のいずれかに罹っている場合をいいます。

肺結核 咳や痰の増加、発熱、血痰などが見られることがあります。
周囲の人に感染する場合もありますので、早期発見が重要です。
結核性胸膜炎 肺の周囲に胸水がたまります。
発熱や胸痛が見られることがあります。
続発性気管支炎 1年のうち3ヶ月以上毎日のように咳と痰があります。起床後おおむね1時間のうちに膿性痰が3cc以上みられます。
続発性気管支拡張症 膿性痰や血痰がみられます。胸部レントゲン検査やCT検査で診断されます。
続発性気胸 胸痛、息切れで発症します。肺の表面が破れ、空気がもれるために肺が収縮した状態になります。胸部レントゲン検査で診断します。
原発性肺がん 平成15年から合併症として取り扱われるようになりました。
じん肺の健康診断でも、細胞診や胸部CT検査が導入され、肺がんの早期発見につとめています。
咳や痰の増加、血痰が見られることがありますが、自覚症状が全くないこともあります。

労災が適用される場合

1 じん肺管理区分が管理4と決定された場合

2 管理2、管理3(イ)、管理3(ロ)のいずれかに決定され、かつ、合併症がある場合