介護補償給付

 障害(補償)年金又は傷病(補償)年金の第1級の方すべてと2級の精神神経・胸腹部臓器の障害を有している方が現に介護を受けている場合、介護補償給付(業務災害の場合)又は介護給付(通勤災害の場合。以下合わせて「介護(補償)給付」といいます。)が支給されます。

支給要件

1. 一定の障害の状態に該当すること。

介護(補償)給付は、障害の状態に応じ、常時介護を要する状態と随時介護を要する状態に区分されます。常時介護又は随時介護を要する障害の状態は次のとおりです。

該当する方の具体的な障害の状態

常時介護の方

① 精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、常時介護を要する状態に該当する方(障害等級第1級3・4号、傷病等級第1級1・2号)

② ・両眼が失明するとともに、障害又は傷病等級第1級・第2級の障害を有する方

・両上肢及び1両下肢が亡失又は用廃の状態にある方

など①と同程度の介護を要する状態である方

随時介護の方

① 精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、随時介護を要する状態に該当する方(障害等級第2等級2号の2・2号の3、傷病等級第2級1・2号)
② 障害等級第1級又は傷病等級第1級に該当する方で、常時介護を要する状態ではない方

給付の要件

 介護(補償)給付の支給額は次のとおりです。
(1) 常時介護の場合
① 親族又は友人・知人の介護を受けていない場合には、
介護の費用として支出した額(ただし、104,730円を上限とします。)が支給されます。

② 親族又は友人・知人の介護を受けているとともに、
イ 介護の費用を支出していない場合には、一律定額として56,790円が支給されます。
ロ 介護の費用を支出しており、その額が56,790円を下回る場合には、一律定額として、56,790円が支給されます。
ハ 介護の費用を支出しており、その額が56,790円を上回る場合には、その額格ただし、104,730円を上限とします。)が支給されます。

(2) 随時介護の場合
① 親族又は友人・知人の介護を受けていない場合には、
介護の費用として支出した額(ただし、52,370円を上限とします。)が支給されます。

② 親族又は友人・知人の介護を受けているとともに、
イ 介護の費用を支出していない場合には、一律定額として28,400円が支給されます。
ロ 介護の費用を支出しており、その額が28,400円を下回る場合には、一律定額として、28,400円が支給されます。
ハ 介護の費用を支出しており、その額が28,400円を上回る場合には、その額(ただし、52,370円を上限とします。)が支給されます。

月の途中から介護を開始される場合は、介護費用の支出有無で異なります。
① 介護費用を支払って介護を受けた
上限額の範囲で介護費用が支給されます。
② 介護費用を支払わないで親族等から介護を受けた
当該月は支給されません。
※ 請求書の「請求対象年月」では、支給対象にかかわらず介護を開始した月についても記入します。

請求の手続

 請求に必要な書類 ・介護(補償)給付支給請求書(様式第16号2の2)
・医師又は歯科医師の診断書※
・介護に要した費用の額の証明書
 (介護の費用の支出がある場合)

提出先 所轄労働基準監督署

※ 次の場合は、診断書の添付は必要ありません。
・ 傷病(補償)年金の受給者
・ 障害等級第1級3号又は4号の方
・ 障害等級第2級2号の2又は2号の3の方
・ 労働福祉事業の介護料を受給していた方
・ 継続して2回目以降の請求の方

 請求に際しては1箇月を単位としますが、3箇月程度まとめて請求しても差し支えありません。

請求に係る時効

 介護(補償)給付は、介護を受けた月の翌月1日から2年間経過しますと、時効により請求権が消滅します。